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活動報告

議会出席手当、「一律3000円」案について反対討論[2016/03/24]

 3月定例会最終日、費用弁償(=議会出席手当)を現行の額から、「一律3000円」にする条例改正が出された。
 これは、私たちが出した廃止案に対するもの。当然、私は、完全廃止を求めているので、いくら減額してもこの案に賛成できない。そもそも、費用弁償についての根本の考え方の違いがある。それを反対討論でぶつけた。
 
 以下、反対討論↓↓↓

 委員会提出議案第1号 高松市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について反対討論を行います。

 昨年の9月定例会において、現在、費用弁償の受け取り拒否をしている4名の議員で、費用弁償の廃止を求める条例改正案を提出しました。しかし、議会運営委員会で協議した結果、私たちが提出した案は否決され、そしてこの度、現行の16,000円~6,500円、公用車使用の場合3,000円支給を公用車使用の有無にかかわらず、「一律3,000円支給」するといったお茶を濁したような案が提出されています。

 そもそも、現行の16,000円~6,500円、公用車使用の場合3,000円支給についてもその額の根拠は存在しません。1959年に金額を明記せず条例制定され、19694月には4km未満1,500円、4km以上2,200円と明記されたのを皮切りに、現在の額になる19964月まで毎年のように議員みずからお手盛り的に増額し、20034月には、公用車使用の場合3,000円を新設しています。したがって、「一律3,000円支給」も何の根拠もないことは言うまでもありません。このお手盛り的に増額していったことを市民に対してどのように説明してきたのでしょうか。

 さて、先ほどの提案理由説明では、費用弁償の支給は地方自治法第203条第2項「普通地方公共団体の議会の議員は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる」を根拠にしています。しかし、1947年に制定された地方自治法は、1946年の第一次地方制度改革をそのまま引き継いだものですが、報酬を「支給しなければならない」と義務付けたことから、報酬を重要視するものとなりました。報酬を義務付けたこの時点で、本来だと、費用弁償の支給は引き継がれるべきではなかったのです。

 また、議会運営委員会の中で、費用弁償を「謝金的な要素の日当」とか「日当部分と交通費部分」として捉えるという意見が出ていましたが、それでは、議員報酬をどう考えるのでしょか。これについては、昨年1224日開催の「高松市議員報酬、市長及び副市長の給与等審議会会議」において、市議会において継続審議になっている費用弁償の議論に触れ、「議会に出席するのも議員報酬に入っているのではないか」と、疑問を呈していました。費用弁償の日当と議員報酬支給の矛盾を説明しない限り、減額にしたところでなんら説得力はありません。

 竹下譲氏は、著者「地方議会 その現実と『改革』の方向」の中で、「日当という形で支給されている費用弁償はもちろん問題である。1946年に議員に報酬を支給することを決めたときに、日当の支給に結びつかないように、費用弁償の定義を明確にすべきであったともいえる。しかし、もっとも非難されるべきなのは、費用弁償の規定の曖昧さを利用し、給与の二重払いをし続けてきた議会である」と指摘しています。この指摘に象徴されるように、事実上、費用弁償は「報酬の二重払い」となっている現状を否定できません。

 戦前の名誉職の時に支給されていた費用弁償を名誉職が廃止されたにもかかわらず、報酬と併せて支給するその理由が明確にされなかったことに歴史的起源があるのです。私たちは、費用弁償の規定の曖昧さを利用し、お手盛り的に増額し、報酬の二重払いを続けてきたことを今こそ反省すべきです。

 私たちの会派では、昨年1015日から12月末にかけて、広く市民の方を対象に「費用弁償に関するアンケート調査」を行いました。256名の方から回答をいただき、見直しの方向性について、すべて廃止は156名、実費支給は83名、3,000程度に減額は8名でした。この結果からも、「一律3,000円支給」案は市民感覚からずれたものになっています。

 費用弁償の支給に関して、これまで何度も市民から見直しの陳情などがあったにもかかわらず、ましてや、議員自身に支払われているにもかかわらず、議会運営委員会では、「費用弁償について考えたことがなかった。問題提起としてはよかった。」という他人事のような認識については驚きました。

 私たちは、問題提起しているのではありません。費用弁償が存在する歴史的経緯を考え、これまで議員自らが根拠もなく、お手盛り的に増額してきたこの議員特権をいつまでも存在させてはいけないと考えています。よって、費用弁償を存続し続け、何の根拠もない「一律3,000円支給」案については反対です。