高松市議会の議会改革度は、全国378位で全国平均を下回っており、とりわけ、議会への住民参加度が低調※1。高松市議会は、2014年12月定例会において、「議会基本条例」を制定したが、今後、その実効性が問われる。また、いまだに、費用弁償(議会出席手当)の支給、海外視察を行っており、このような「議員特権」は早急に廃止し、公正で公平な政治を行う必要がある。
※1日本経済新聞社産業地域研究所が、全国813市区議会を対象に第3回議会改革度調査を実施(2014年4~5月。主に、議会の情報公開度、議会への住民参加、議会の運営方法を調査)。全国平均は27.9点(100点満点中)、総合偏差値は50。高松市議会の得点は27点、総合偏差値は49.22。
・市民感覚から大きくずれた「議会出席手当」(議員が議会に出席するだけで、報酬とは別に交通費と日当という名目で税金から支給されるもの。高松市議会の場合、議員の自宅から市議会までの距離が4km未満だと1日6,000円、4km以上は6,500円、公用車使用の場合は3,000円となっている。)は、無用の支給。全国的には制度の廃止が進み、高松市議会のように5,000円以上のどんぶり勘定での定額支給は、全国でたったの3市議会しか存在しない。
・議員の任期4年間のご褒美とも言える「海外視察」(一人当たりの予算60万円)は廃止を。
・本会議における現在のような緊張感のないやり取りではなく、「一問一答方式」、「反問権」の導入により、本会議での議論を活性化する。
・委員会では、議員間討議を進め、行政のチェックや政策立案を活発に行えるようにする。
・市民が政務活動費の使途をチェックしようとしても、現在は、わざわざ情報公開請求を行わないと閲覧することができない。政務活動費の使い道は、「いつでも、どこでも、誰でも」見ることができるようにする必要がある。さらには、全国的に先駆けて取り組んでいる函館市議会のように、会計帳簿や証拠書類(領収書など)はWebで公開する。
・開かれた議会運営のためには、本会議、委員会以外のすべての会議・議事録を公開すべき。
・現在の高松市議会は、市民からの請願・陳情があった場合、請願・陳情者が直接説明する機会がない。請願・陳情者が直接説明する機会の保障と議事録への記載を義務づける。
・議会基本条例に基づく議会報告会だけでなく、積極的に公聴会の開催や参考人制度を活用する。
地球規模で進行している温暖化問題、気候変動、生物多様性の危機。これらグローバルな課題への取り組みについて、ローカルで取り組める施策が求められている。
・自治体の施設(庁舎、福祉施設、病院、学校など)は、多数の施設を有していることから、すべてを合わせると巨大なエネルギー消費主体となることから、自治体が率先して省エネ推進を実施する。また、グリーン調達の推進、エコリフォームへの助成制度など省エネ対策を進める。
・自動車中心の地域交通から、環境負荷が少ない徒歩、自転車、電車、バスなどの公共交通を中心とした地域交通へと見直しを進める。
・地域内で発生する廃棄物を資源としてとらえ、省資源、循環型の社会をめざす。循環型社会をめざす技術の研究や開発、起業などのグリーンビジネスを様々なかたちで支援する。
・高松市は2004、2005年の台風による高潮被害が発生した。その後も全国的に、台風や記録的大雨による水害などが起こり、各地域で多数の犠牲者が出ている。これらの異常気象や個別の災害が気候変動を原因とするものか特定はできないものの、今後も自然災害が続くことを想定し、自治体はその地域の抱えるリスクを把握し、備えを整える必要がある。
・環境問題について学び、考え、問題解決の行動をしていくため、学校教育だけでなく、多様な形態による環境教育の機会を創出する。
3・11の福島原発事故をきっかけに、これまでの原子力中心のエネルギー政策を抜本的に見直す必要がある。原発を利用しなくてもよい低エネルギー型の社会づくりを自治体から取り組みを進めていく。
・エネルギー政策は国の仕事という従来のあり方を見直し、地方からも「脱原発」の意思表示をすることによって、国のエネルギーシフトを加速させる流れをつくる。
・高松市の地域特性を活かし、太陽光や太陽熱、風、地熱、バイオマス、小水力などの再生可能エネルギーを推進することで、原発や化石燃料に頼らない分散型のエネルギーシステムを構築していく。
・再生可能エネルギーを地域住民共有の財産とみなし、市民が再生可能エネルギー普及のために「市民共同発電所」などに出資できるスキームを支援する。市民参加によって、エネルギーの「地産地消」をめざす。
・これまでの電力会社からの電力購入は、原発の危険性や高い発電コストによることから、地域の電力を地域PPS(地域の電力会社)から調達できるようにすることで、市民によるエネルギー自治を推進する。
・全国初に行った、高松市の「施設仕分け」を発展させ、公共施設の利用率・コスト・老朽化などを可視化する「財産白書」、より実績を反映した財政見通しなどの作成を進める。また、財政の健全化、公共施設の再編、見直しやコスト削減、無駄な事業の削減に向け、市民自身が市民のための事業の選択や予算組み換えを選択していく仕組みづくりを進める。
・自治体の財政の構造的な問題として、制度的・政治的に、国の裁量や判断に拘束されているということがあるが、今後の人口減・高齢化社会を迎える中で、国―自治体の税制体系や財源の見直しについても言及していく必要がある。また、臨時財政対策債や合併特例債は、あくまで地方自治体の「借金」であるという認識に立ち、安易な発行を抑制するよう監視をする必要がある。
・これまでの公共事業の中には、何十年も前に計画され、必要性がなくなっているにもかかわらず進められている事業がある。次世代にとって必要不可欠かつ経済的負の遺産とならない公共事業を選択し、再評価するために、多様な意見とアイデアを持つ市民参加を進める。
・202030(指導的地位に女性が占める割合を2020年までに30%にするという国の目標)の実現を高松から実現し、女性の社会参画を積極的に進める。そのためには、管理職、審議会委員、教育委員選定の女性委員数の拡大。
・あらゆる政策、意思決定過程への女性の参画を進め、男女共同参画の観点を反映させる。
・当事者と市民の声が反映された「障がい者差別禁止条例」の制定をめざす。
・障がい者が地域で暮らすための住居支援や職場確保を進める。
・セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の権利を認める。
・さまざまな家族のあり方を尊重し、必要な支援策を充実させる。
・在住外国人は地域社会を構成する一員であり、地域の経済や文化の担い手でもある。私たちの生活する地域における多様な国籍、民族に属する人々の言語や文化を互いに受け入れ、必要な支援策を展開することにより、豊かな多文化共生社会を構築する。
・ヘイトスピーチ(特定の民族や人種を排除する言動)に反対し、国に対し法規制などを求める。
・子どもの成長と子育てを社会全体で支援するまちづくりを推進するために、子どもの成長への支援、子育て家庭への支援、子どもを虐待等から守るための対策などについての基本的な施策を推進する。
・障がい児をもつ保護者の相談、支援体制の整備。
・「子どもの権利」をベースに置き、子どもが主体で意見が反映される学校運営を行うことで、いじめ等を防ぎ生きる力を養う。
・学校図書館の充実、子どもの読書活動を推進する。
・新しい教育委員会制度を市民に開かれたものにする。
・高松市における子どもの貧困率の把握、実態調査を進め、「子どもの貧困対策法」を有効活用する。
・あらゆる機会を活用し、子どもたちや次の世代に高松空襲を語り継ぎ、高松から平和を発信する。
・高松市との姉妹都市(アメリカ/セント・ピーターズバーグ市、フランス/トゥール市)、友好都市(中国/南昌市)との更なる連携を進め、市民間の交流と相互理解を深める。
・国境を越えた国際課題(平和や環境問題など)に取り組む都市間の国際連携を進める。